中学受験算数専門のプロ家庭教師です。
長さ・面積・体積の単位換算(変換)についての解説をしています。練習問題プリントはページ下部をご覧下さい。主に小学生・中学生向けです。中学受験にもよく出題されますね。
全ての単位を取り上げているわけではありませんが、ここで扱っていない単位でも考え方は参考になると思います。このページで扱う単位はそれぞれ次の通りです。
面積:km2, ha, a, m2, cm2, mm2
体積:m3, L, dL, mL, cm3, mm3
これらの単位、全部の組み合わせを覚えたらかなり大変です。長さは6通り、面積は15通り、体積も15通りで計36個も覚えなければならなくなります。しかも、どれも似たり寄ったりで覚えづらいのでやってられません。
このページでは覚えることはできる限り最小限にとどめ、計算を使って導き出す方法について書いていきます。覚えるべき単位換算は1m=100cmなど、全部で8個だけです。それでは順番に見ていきましょう。
概要
単位換算の考え方
長さ・面積・体積ともに単位換算の考え方は全て同じです。それは次の通りです。言葉だけだと分かりづらいので、下の問題を通して確認してください。
1.1単位あたりで変換する
2.いくつでかけるか、割るのかを考える
それでは、長さ・面積・体積の順に見ていきましょう。
長さの単位換算
まず、長さの単位換算について見ていきます。扱う単位は「km, m, cm, mm」の4つです。
ここで覚えるべきものは以下の3つです。
1km=1000m
1m=100cm
1cm=10mm
これらは既に覚えている方が多いでしょう。知らないという方はこれを機に覚えてください。それではこれらを使って問題を2つ解いてみましょう。
<問題>
次のそれぞれの式の□に入る数字を求めなさい。
(1)7m=□ mm
(2)3cm=□ km
(1)7m=□ mmの解説
手順1.1単位あたりで変換する
まず、「1」mが何mmなのかを出します。
いきなり「7」mでは考えません(慣れてきたら問題ありません)。
1m=何mmなのかは覚えていないとして、覚えている範囲で計算で出してみましょう。
1m=100cm
1cm=10mm
<計算>
1cm=10mmなので、
100cmは10mm×100=1000mm
100cmは1mなので次のことが分かります。
手順2.いくつでかけるか、割るのかを考える
次にmとmmの関係について考えます。「1m=1000mm」より次の2つのことが分かります。
・「mm」を「m」にするには「÷1000」をする
問題は「m」を「mm」にするものですから「×1000」をすれば求まります。
よって、7×1000=7000mmと計算できます。
(2)3cm=□ kmの解説
手順1.1単位あたりで変換する
まず、「1」kmが何cmなのかを出します。1cmをkmにすると小数になってイヤなので、kmをcmにしています。1cmをkmにしても問題ありません。
1km=何cmなのかは覚えていないとして、覚えている範囲で計算で出してみましょう。
1km=1000m
1m=100cm
<計算>
1m=100cmなので、
1000mは100cm×1000=100000cm
1000mは1kmなので次のことが分かります。
手順2.いくつでかけるか、割るのかを考える
次にkmとcmの関係について考えます。「1km=100000cm」より次の2つのことが分かります。
・「cm」を「km」にするには「÷100000」をする
問題は「cm」を「km」にするものですから「÷100000」をすれば求まります。
よって、3÷100000=0.00003cmと計算できます。
長さの単位変換は以上です。もっと練習したいという方は長さの単位変換プリント(無料)をご利用ください。全て回答・解説つきです。
面積の単位換算
次に、面積の単位換算について見ていきます。扱う単位は「km2, ha, a, m2, cm2, mm2」の6つです。
ここで覚えるべきものは以下の2つです。
1ha=100a
1a=100m2
念のため、問題を解く前に面積の単位の書き方について見ておきます。面積では単位を「cm2」のように右上に「2」をつけて書きますね。それぞれ以下の意味であることを抑えておいて下さい。
・m2=m×m
・cm2=cm×cm
・mm2=mm×mm
それではこれらを使って問題を3つ解いてみましょう。
<問題>
次のそれぞれの式の□に入る数字を求めなさい。
(1)4m2=□ mm2
(2)3cm2=□ ha
(3)5a=□ km2
(1)4m2=□ mm2の解説
手順1.1単位あたりで変換する
まず、「1」m2が何mm2なのかを出します。
覚えている範囲で計算で出してみましょう。
1m=100cm
1cm=10mm
<計算>
1m2=1m×1m
=100cm×100cm
=1000mm×1000mm
=1000000mm2
(1cm=10mmを覚えていれば、「cm」から「mm」にするには10倍すればよいことが分かります)
手順2.いくつでかけるか、割るのかを考える
次にm2とmm2の関係について考えます。「1m2=1000000mm2」より次の2つのことが分かります。
・「mm2」を「m2」にするには「÷1000000」をする
問題は「m2」を「mm2」にするものですから「×1000000」をすれば求まります。
よって、4×1000000=4000000mm2と計算できます。
(2)3cm2=□ haの解説
手順1.1単位あたりで変換する
まず、「1」haが何cm2なのかを出します。
覚えている範囲で計算で出してみましょう。
1ha=100a
1a=100m2
<計算>
(1)1ha=100a、1a=100m2より1ha=10000m2
(2)1m2=10000cm2
→上記、面積の問題(1)と同じ要領で直す
(3)1ha=10000cm2×10000
→(1)(2)よりこの式となる
(4)1ha=100000000cm2
→(3)を計算。変換完了
手順2.いくつでかけるか、割るのかを考える
次にhaとcm2の関係について考えます。「1ha=100000000cm2」より次の2つのことが分かります。
・「cm2」を「ha」にするには「÷100000000」をする
問題は「cm2」を「ha」にするものですから「÷100000000」をすれば求まります。
よって、3÷100000000=0.00000003haと計算できます。
(3)5a=□ km2の解説
手順1.1単位あたりで変換する
まず、「1」km2が何aなのかを出します。
覚えている範囲で計算で出してみましょう。
1a=100m2
<計算>
(1)1km2=1000000m2
→上記、面積の問題(1)と同じ要領で直す
(2)1000000m2÷100m2=10000
→(1)と<暗記>より。
→1km2は1aの10000倍と分かる
(3)1km2=10000a
→変換完了
手順2.いくつでかけるか、割るのかを考える
次にaとkm2の関係について考えます。「1km2=10000a」より次の2つのことが分かります。
・「a」を「km2」にするには「÷10000」をする
問題は「a」を「km2」にするものですから「÷10000」をすれば求まります。
よって、5÷10000=0.0005aと計算できます。
面積の単位変換は以上です。もっと練習したいという方は面積の単位変換プリント(無料)をご利用ください。全て回答・解説つきです。
体積の単位換算
最後に、体積の単位換算について見ていきます。扱う単位は「m3, L, dL, mL, cm3, mm3」の6つです。
ここで覚えるべきものは以下の3つです。
1L=1000cm3
1L=1000mL
1L=10dL
念のため、問題を解く前に体積の単位の書き方について見ておきます。体積では単位を「cm3」のように右上に「3」をつけて書きますね。それぞれ以下の意味であることを抑えておいて下さい。
・cm3=cm×cm×cm
・mm3=mm×mm×mm
それではこれらを使って問題を3つ解いてみましょう。
<問題>
次のそれぞれの式の□に入る数字を求めなさい。
(1)4cm3=□ mm3
(2)3dL=□ mL
(3)5m3=□ L
(1)4cm3=□ mm3の解説
手順1.1単位あたりで変換する
まず、「1」cm3が何mm3なのかを出します。
覚えている範囲で計算で出してみましょう。
1cm=10mm
<計算>
1cm3=1cm×1cm×1cm
=10mm×10mm×10mm
=1000mm3
手順2.いくつでかけるか、割るのかを考える
次にcm3とmm3の関係について考えます。「1cm3=1000mm3」より次の2つのことが分かります。
・「mm3」を「cm3」にするには「÷1000」をする
問題は「cm3」を「mm3」にするものですから「×1000」をすれば求まります。
よって、4×1000=4000mm3と計算できます。
(2)3dL=□ mLの解説
手順1.1単位あたりで変換する
まず、「1」dLが何mLなのかを出します。
覚えている範囲で計算で出してみましょう。
1L=10dL
1L=1000mL
<計算>
この2つを比較すると、10dL=1000mLであることが分かります。
よって、10dLは1000mL÷10=100mLと求まります。
手順2.いくつでかけるか、割るのかを考える
次にdLとmLの関係について考えます。「1dL=100mL」より次の2つのことが分かります。
・「mL」を「dL」にするには「÷100」をする
問題は「dL」を「mL」にするものですから「×100」をすれば求まります。
よって、3×100=300mLと計算できます。
(3)5m3=□ Lの解説
手順1.1単位あたりで変換する
まず、「1」m3が何Lなのかを出します。
覚えている範囲で計算で出してみましょう。
1L=1000cm3
<計算>
1m3=1m×1m×1m
=100cm×100cm×100cm
=1000000cm3
整理すると
1L=1000cm3
1m3=1000000cm3
よって、1000000÷1000=1000より
1m3=1000Lと分かる
手順2.いくつでかけるか、割るのかを考える
次にm3とLの関係について考えます。「1m3=1000L」より次の2つのことが分かります。
・「L」を「m3」にするには「÷1000」をする
問題は「m3」を「L」にするものですから「×1000」をすれば求まります。
よって、5×1000=5000Lと計算できます。
体積の単位変換は以上です。もっと練習したいという方は体積の単位変換プリント(無料)をご利用ください。全て回答・解説つきです。
単位の換算プリント
下記リンクより単位換算の練習問題をご利用いただけます。
まとめ
単位の変換は始めはなかなか難しいですが、慣れればなんてことはありません。暗記自体は構いませんが、難しいからやっぱり暗記で乗り切ろうと考えるのはよくありません。数字がどのように変化するのかをとらえることは算数では非常に大事です。
プリントにも解説を書いてあるのででしっかりと練習しましょう。
家庭教師のご依頼はこちらより。
コメント
とても分かりやすく解説していただき有難う御座います。
小学生なのですが単位換算に苦戦していたので、感謝です。
コメントありがとうございます!
ぜひぜひご活用ください。
※本名だと思ったので、名前は一部修正しました。
ありがとうございました
コメントどうもです!
タイトルに「単位換算はほとんど暗記不要」と書いているわりには、「覚えるべきもの」と「暗記」が結構ありましたね‥
単位なんてこの世からなくなれば!!‥‥余計に面倒か‥