還元算(逆算)とは、□を使った計算のことです。例えば、□+30=55という式で□を求める問題です。このページでは「□+30=55」レベルの問題について取り上げます。これより複雑な還元算は入試レベルの還元算をご覧下さい。
この還元算、適当に足したり・引いたりする子が目立ちます。
それは次のように教わっているからです。
足し算
引く
引き算
左側に□がある時は足す
右側に□がある時は引く
かけ算
割る
割り算
左側に□がある時はかける
右側に□がある時は割る
もちろん、これらを覚えてもいいのですが、覚えると忘れます。忘れたり、正しく覚えていない場合は適当に式を立てることになり、その結果「還元算は苦手」ということになります
ですが、単なる計算の問題なので、中学受験において還元算の問題は絶対に間違えるわけにはいきません。
また、□を使って式を立てるという行為は、計算問題だけでなく文章問題・図形問題でも行われます。ですから、還元算に苦手意識があると算数全体の学力が中々伸びません。
このページで還元算の基礎を学び、中学受験・小学校の勉強に役立てて下さい。
還元算の考え方
還元算の考え方はたったひとつ、これだけです。
小さい数字に置き換える
これは暗記して下さい。足し算・引き算・かけ算・割り算の全てでこの考え方をします。
タイトルで「暗記不要」と書きましたが、それは上に挙げた「還元算の解き方」のことです。
「解き方」は暗記しないで構いません。「考え方」を暗記して下さい。
この「考え方」を覚え、下の解説で「解き方」を理解しましょう。
では還元算について、足し算・引き算・かけ算・割り算の順に見ていきましょう。
足し算の還元算
<問題>
次のそれぞれの式の□に入る数字を求めなさい。
(1)□+30=55
(2)27+□=46
<考え方>
小さい数字に置き換えて考えます
足し算の問題なので、小さい数字で足し算を作ります。
2+3=5としましょう。
(1)は□+3=5の時に、どのような計算で□が求まるかを考えます。
(2)は2+□=5の時に、どのような計算で□が求まるかを考えます。
<解説>
(1)「□+3=5」「□=2」であることを考えると、5-3(「イコールの右側の数字」ー「+の右側の数字」)をすれば□が求められることがわかります。
よって、55-30=25が答えになります
(2)「2+□=5」「□=3」であることを考えると、5-2(「イコールの右側の数字」ー「+の左側の数字」)をすれば□が求められることがわかります。
よって、46-27=19が答えになります
引き算の還元算
<問題>
次のそれぞれの式の□に入る数字を求めなさい。
(1)□ー23=61
(2)87ー□=14
<考え方>
小さい数字に置き換えて考えます
引き算の問題なので、小さい数字で引き算を作ります。
5-3=2としましょう。
(1)は□-3=2の時に、どのような計算で□が求まるかを考えます。
(2)は5-□=2の時に、どのような計算で□が求まるかを考えます。
<解説>
(1)「□-3=2」「□=5」であることを考えると、3+2(「-の右側の数字」+「=の右側の数字」)をすれば□が求められることがわかります。
よって、23+61=84が答えになります
(2)「5-□=2」「□=3」であることを考えると、5-2(「-の左側の数字」-「=の右側の数字」)をすれば□が求められることがわかります。
よって、87-14=73が答えになります
かけ算の還元算
<問題>
次のそれぞれの式の□に入る数字を求めなさい。
(1)□×13=208
(2)17×□=255
(3)6×□=3
<考え方>
小さい数字に置き換えて考えます
かけ算の問題なので、小さい数字でかけ算を作ります。
2×3=6としましょう。
(1)は□×3=6の時に、どのような計算で□が求まるかを考えます。
(2)は2×□=6の時に、どのような計算で□が求まるかを考えます。
(3)は(2)と同じ考え方です。
<解説>
(1)「□×3=6」「□=2」であることを考えると、6÷3(「=の右側の数字」÷「×の右側の数字」)をすれば□が求められることがわかります。
よって、208÷13=16が答えになります
(2)「2×□=6」「□=3」であることを考えると、6÷2(「=の右側の数字」÷「×の左側の数字」)をすれば□が求められることがわかります。
よって、255÷17=15が答えになります
(3)「2×□=6」「□=3」であることを考えると、6÷2(「=の右側の数字」÷「×の左側の数字」)をすれば□が求められることがわかります。
よって、3÷6=0.5が答えになります
※なんとなく、6÷3=2という式を立てないよう要注意です。
割り算の還元算
<問題>
次のそれぞれの式の□に入る数字を求めなさい。
(1)□÷11=7
(2)155÷□=31
(3)7÷□=14
<考え方>
小さい数字に置き換えて考えます
割り算の問題なので、小さい数字で割り算を作ります。
6÷3=2としましょう。
(1)は□÷3=2の時に、どのような計算で□が求まるかを考えます。
(2)は6÷□=2の時に、どのような計算で□が求まるかを考えます。
(3)は(2)と同じ考え方です。
<解説>
(1)「□÷3=2」「□=6」であることを考えると、3×2(「÷の右側の数字」×「=の右側の数字」)をすれば□が求められることがわかります。
よって、11×7=77が答えになります
(2)「6÷□=2」「□=3」であることを考えると、6÷2(「÷の左側の数字」÷「=の右側の数字」)をすれば□が求められることがわかります。
よって、155÷31=5が答えになります
(2)「6÷□=2」「□=3」であることを考えると、6÷2(「÷の左側の数字」÷「=の右側の数字」)をすれば□が求められることがわかります。
よって、7÷14=0.5が答えになります
※なんとなく、14÷7=2という式を立てないよう要注意です。
還元算の練習プリント
上記で取り上げたようなレベルの還元算のプリントを作成しました。1回分で10問、全部で30回分あります。これだけで解けば練習には十分でしょう。問題は全て整数で作成していますが、答えが分数のものもあり適当に解いていると間違えやすい問題にしています。
還元算の練習プリントより無料でダウンロードできますので、ぜひご利用ください。
まとめ
解説を見ると少し難しく感じるかもしれませんが、やっていることはいたってシンプルです。
小さい数字に置きなおして考えましょう。
答えが出た後は検算をするとなおいいですね。還元算をしっかりマスターし、文章題・図形問題にも活用しましょう。このレベルに慣れてきたら入試レベルの還元算にも挑戦しましょう。
コメント
わからなかった
文字だけだと分かりづらいですよね・・・