入試レベルの還元算 計算の順番をマスターしよう

基本となる還元算の解き方で還元算の超基本について取り上げました。「1÷□=6」レベルの問題です。しかし、入試でこのレベルの問題が出てくることはほぼありません。

このページでは入試レベルの還元算の問題についてレベルごとに取り上げます。学校によっては、このページで取り上げる問題より複雑なものも出てくると思いますが、根本的な考え方は変わりません。ここにある問題をしっかりと自分のものにしましょう。

還元算で問題となるのはどういう順番で計算するかです。これが分かれば他の計算問題と変わりません。この順番の見極め方はどのレベルの問題にしろ、たったひとつです。

「普通に」計算したらどういう順番かを考える。

この言葉だけでは「?」となると思うので、問題を通して説明していきます。

レベル1の問題

<問題>
7+10×□÷4=27

どういう順番で計算するか戸惑った場合「普通に」計算したらどういう順番かを考えます。次のように考えるということです。

まず「10×□」をする。その後、「÷4」して最後に7に足す。(すると27になる)

□をあたかも計算できるかのように扱うということです。ここまで頭の中で考えたら、後は逆に考えていくだけです。逆に見ていきましょう。

1.7に足す
 これは、7に足したら27になるということです。式で書くと「7+□=27」です。これを解くと□は20と分かります。

2.「÷4」する
 これは、「÷4」をしたら20になるということです。式で書くと「□÷4=20」です。これを解くと□は80と分かります。

3.「10×□」する
 これは、「10×□」をしたら80になるということです。式で書くと「10×□=80」です。これを解くと□はと分かります。

以上のことより、答えは「8」であることが分かります。「10×□=80」レベルでもちょっと・・・という方は還元算の基本をご覧下さい。

レベル2の問題

<問題>
13-{18-7×(□ー3)}=9

()や{}が出てきて急に難しくなったと感じたかもしれません。ですが考え方はレベル1の問題と同じです。「普通に」計算したらどういう順番かを考えると次のようになります

まず「□-3」をする。その後、7にかける。次に18から引いて、最後に13から引く(すると9になる)

レベル1の問題同様に逆に見ていきましょう。

1.13から引く
 これは、13から引いたらに9になるということです。式で書くと「13ー□=9」です。これを解くと□はと分かります。

2.18から引く
 これは、18から引いたらになるということです。式で書くと「18ー□=4」です。これを解くと□は14と分かります。

3.7にかける
 これは、7にかけたら14になるということです。式で書くと「7×□=14」です。これを解くと□はと分かります

4.□ー3をする
 これは、「□ー3」をするとになるということです。式で書くと「□ー3=2」です。これを解くと□はと分かります

以上のことより、答えは「5」であることが分かります。

レベル2の問題2

<問題>
14-{3+(8ー□)×2}=27÷(9-6)

レベル2の問題の問題をもう1問取り上げます。先ほどの問題と違う点は先に計算できる所がある点です。この問題で言うと「=」の右側です。こういう時には先に計算します。27÷(9-6)を計算すると9になりますから問題は次のように考えることができます。

<問題>
14-{3+(8ー□)×2}=9

ここまでできたら後は先ほどの問題と同様に「普通に」計算したらどういう順番かを考えていきます。

まず「8-□」をする。その後、2をかける。次に3に足して、最後に14から引く(すると9になる)

では逆に見ていきましょう。

1.14から引く
 これは、14から引いたらに9になるということです。式で書くと「14ー□=9」です。これを解くと□はと分かります。

2.3に足す
 これは、3に足したらになるということです。式で書くと「3+□=5」です。これを解くと□はと分かります。

3.2をかける
 これは、2をかけたらになるということです。式で書くと「□×2=2」です。これを解くと□はと分かります

4.8-□をする
 これは、「8-□」をするとになるということです。式で書くと「8-□=1」です。これを解くと□はと分かります

以上のことより、答えは「7」であることが分かります。

小数や分数の還元算

ここまで全て整数の還元算を取り上げてきました。「小数とか分数の入り組んでる還元算について見たかったんだよ」という人も多いでしょう。しかし、それらを解説する気はありません。なぜなら、小数だろうと分数だろうと考え方は整数の時と全く同じだからです。

しかし、整数ならできるけど小数や分数になるとできないんだよという方もいるでしょう。もしそういう状況であれば次の原因が考えられます。

<小数や分数になると解けなくなる原因>
・1.そもそも小数・分数の計算が苦手
・2.検算していない
・3.整数の時に「なんとなく」で解いている

ひとつずつ見ていきましょう。

1.そもそも小数・分数の計算が苦手
 これは分かりやすいパターンです。そもそも小数・分数の計算が苦手であれば「還元算だから」ではありません。しっかりと小数・分数の計算を練習する必要があります。計算については計算力の大切さ&オススメ問題集を参考にしてみてください。

2.検算していない
 例えば上で挙げた次のような問題であれば素早く検算できるでしょう。

13-{18-7×(□ー3)}=9

しかし、次のような問題だと検算に時間がかかります。

13.2-{18.25-\frac{\ 3\ }{\ 8\ }×(□ー3.07)}=9\frac{\ 3\ }{\ 8\ }

整数だと検算する。結果、もし間違っていれば解きなおすので正解になる。小数・分数だと検算しない。結果、もし間違っていれば間違っているまま進む。という状況になっていると考えられます。

時間がかかる場合でも検算をする、もしくは、一つ一つの式できっちりと見直しをしながら進めることを意識して問題に取り組みましょう。

3.整数の時に「なんとなく」で解いている
 これが一番やっかいですね。例えば「18÷□=3」という式があるとします。□を求めるのに「18×3」をするのか「18÷3」をするのか分かっていなくとも、両方やってみてそれっぽい方を選べば正解できます。

しかし「\frac{\ 7\ }{\ 11\ }÷□=2\frac{\ 3\ }{\ 7\ }」という式だと、「\frac{\ 7\ }{\ 11\ }×2\frac{\ 3\ }{\ 7\ }」なのか「\frac{\ 7\ }{\ 11\ }÷2\frac{\ 3\ }{\ 7\ }」なのか、はたまた「2\frac{\ 3\ }{\ 7\ }÷\frac{\ 7\ }{\ 11\ }」なのかそれっぽい方が分かりません。

こういう場合は、そもそも還元算の基本が分かっていない状態です。基本的な還元算の解き方を参考に、まずは還元算の基本を身につけましょう。

まとめ

今回は入試レベルの還元算について取り上げました。今回のことが理解できたらあとはひたすら練習です。計算力の大切さ&オススメ問題集で紹介している問題集などを使って還元算に慣れていって下さい。