中学受験算数の多角形の性質の問題を解説していきましょう。
多角形の性質の第4回目です。
今回は外角の和について見ていきます。外角自体の説明は外角とは?をご覧ください。
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導入
ドク
今回は外角の和についてじゃ
さとし
また外角か。あれキライだよ
ドク
たしかに少し紛らわしいからのぉ
さとし
外角の和ってことは外角の合計を出すんだね
ドク
そういうことじゃ。では問題じゃ
問題
三角形の外角の和を求めなさい。
回答
360°(暗記)
解説
ドク
まずは「外角の和」というのがどの部分を示しているのかを見ていこうぞ
さとし
ほいよ
ドク
下の図の三角形ABCを使って説明していくぞぃ

ドク
「外角の和」というのは次の図の黄色の部分の合計じゃ
さとし
角A・B・Cの外角の合計ってことだね
ドク
下の図でもよいぞ

さとし
1つの角に対して外角は2つあるからだね
ドク
そうじゃ。よく覚えておるのぉ
さとし
外角とは?で習ったからね
外角の和とは、この例でいうと以下の3つを合計したものです。
・角Aの外角
・角Bの外角
・角Cの外角
・角Aの外角
・角Bの外角
・角Cの外角
これらはそれぞれ場所が2つずつありますが、角度自体は同じです。2重に足さないように気を付けましょう。
ドク
では問題に戻るぞい
さとし
ほいよ
ドク
外角の和はいくつじゃ?
さとし
う~ん
ドク
下の図の黄色い部分の合計は何度じゃ?

さとし
直線が3本だから3×180=540°です
ドク
そこから下の図の青い部分を引くと

さとし
青い部分は三角形の内角の和だから180°だね
ドク
そうじゃ
さとし
540-180=360。答えは360°だね
ドク
正解じゃ!
さとし
よくできました
ドク
さて、今回の問題は三角形じゃったの
さとし
そうだね
ドク
実は四角形でも五角形でも外角の和はみんな360°なんじゃ
さとし
なんだって!?
多角形の外角の和はなぜ360°なのか(証明)
ドク
今回の考え方をまとめると次の通りじゃ
<三角形の外角の和の求め方(まとめ)>
1.直線3本分の角度を求める
2.三角形の内角の和を求める
3.1で求めた角度から2で求めた角度を引く
1.直線3本分の角度を求める
2.三角形の内角の和を求める
3.1で求めた角度から2で求めた角度を引く
さとし
そうだったね。それで?
ドク
これをN角形で置き換えてみると次の通りじゃ
<N角形の外角の和の求め方>
1.直線N本分の角度を求める
2.N角形の内角の和を求める
3.1で求めた角度から2で求めた角度を引く
1.直線N本分の角度を求める
2.N角形の内角の和を求める
3.1で求めた角度から2で求めた角度を引く
さとし
そうなるね。それで?
ドク
これを式で表してあげる
<N角形の外角の和の求め方>
1.N×180
2.(N-2)×180
3.N×180ー(N-2)×180
1.N×180
2.(N-2)×180
3.N×180ー(N-2)×180
よって、N角形の外角の和は
N×180ー(N-2)×180=N×180ーN×180+2×180=360°となる
さとし
となる、と言われても。チンプンカンプンだよ
ドク
じゃろうのぉ。ではこの2つを比べてみるのじゃ
1.N×180
2.(N-2)×180
2.(N-2)×180
さとし
ふむふむ
ドク
1番は180がN個、2番は180がN-2個と考えることができるのぉ
さとし
そうか。2番の方が180が2個少ないのか
ドク
そうじゃ。よって180が2個分で360°差があるということじゃ
さとし
だから360°になるんだね
ドク
そういうことじゃ
さとし
お疲れ様でございました
まとめ
N角形の外角の和は360°です。
理解するのが難しい場合でもひとまず丸暗記しましょう。
コメント
お世話になります。
第4回 外角の和について。なぜ360°になるのかの説明内容で、「それぞれ場所が2つずつありますが、角度自体は同じです。2重に足さないように気を付けましょう。」とあります。
なぜ角度自体が同じだったら二重に足してはダメなのかわかりづらいです。 次のように理解すればよいのでしょうか?…..
一つの頂点をなす二つの辺において、どちらの辺を延長するかで同じ大きさの外角のでき方には二通りある。ただし一つの頂点における内角と外角の関係は一組だけなので、一つの頂点の周りに外角が二つできるからといって合算してはいけない。
内角と外角の関係は一組だけという言い方で正しいでしょうか?
宜しくご指導お願いします。
コメントありがとうございます!
ご指摘で初めて気づいたのですが、外角の和って言葉がそもそも分かりづらいですね。
外角の和の意味としては「多角形の各頂点でできる2つの外角のうち、どっちか1つずつの和」です。
つまり、外角はどっちか片方だけ足してってー、というのが外角の和の意味です。
ということで、二重に足してはダメなのは外角の和という言葉がそういう意味であるからで、角度が同じだからではありません。
>>内角と外角の関係は一組だけという言い方で正しいでしょうか??
言い方はなかなか難しいので、ちょっと困る質問です^^;
ただ、1つの内角に外角は2つあるので、違和感は感じますね。
ありがとうございました。外角の和というものに決めごとがあるというのを初めて知りました。違和感があっても、外角の和という言葉がそういうふうに決められていると割り切るしかないんですね。