比例式とは、□を使った比のことです。例えば、□:6=2:3という式で□を求める問題です。中学受験だけでなく、中学生も勉強するようですね。中学生だとx:6=2:3のような式でしょうが、問われていることは同じです。
この比例式、内項の積・外項の積(後述)しか使えない生徒さんが多いです。確かにそれで大体の問題は解けますが、数字によって解きやすかったり・解きづらかったりします。それに内項の積、外項の積しか使えない人は、おそらく比の性質が理解できていないし、3つ以上の比例式になったら解けません。
今回は比例式の3通りの解き方と、なぜ内項の積・外項の積が等しいのか?、内項の積・外項の積の注意点について取り上げます。
※そもそも比って何?という方は比とは?なぜ使うの?自分で作って慣れようをご覧下さい。
概要
比例式の3通りの解き方
2:3=16:□
解法1:何倍した比?
解法2:「:」の右側は左側の何倍?
以上が解法1・解法2です。この2つは比の性質を使った考え方で非常に重要です。後述する内項の積・外項の積しか使えない人はしっかり比の性質を理解するようにしましょう。
では、最後に「内項の積・外項の積」について解説します。こちらは比の性質というよりは裏技的なものだと個人的には思っています。教え方としては主流なようですが・・・。まず上記2つの解法を理解しましょう。
解法3:内項の積・外項の積
A:B=C:D
内側の数字の掛け算(内項の積):B×Cと
A:B=C:D
外側の数字の掛け算(外項の積):A×D
が等しい。
つまり、「B×C=A×D」
内項の積は3×16=48
内項の積と外項の積は等しいので外項の積も48
□は48÷2=24
なぜ内項の積と外項の積は等しいのか
ではなぜ内項の積と外項の積は等しいのでしょうか。まずは比の性質として以下のことが成り立ちます。
(□は共通の数字)
この時、内項の積・外項の積はそれぞれ以下のようになります。
→並び替えるとA×B×□
以上のことより内項の積・外項の積が等しいことが分かります。
内項の積・外項の積を使うときの注意点
内項の積・外項の積は3つ以上の比の時、要注意です。下記の問題をご覧下さい。
この時、内項の積は3×2=6。
だから外項の積も6。
きっと真ん中の積も6、なんてしてはいけません。これは間違いです。真ん中はこの法則に当てはまりません。なぜでしょう?
(□は共通の数字)
この時、それぞれの積は以下のようになります。
→並び替えるとA×C×□
以上のように、真ん中だけ異なります。3つ以上の比が出た場合は注意してください。この時は上記の解法1か解法2の方法で解きましょう。ちなみに答えは2:4:6です。
結局どれを使えばいいの?
今回は比例式の解法を3つご紹介しました。3つも紹介されても結局どれがいいの?という方も多いでしょう。結論から言うと、
ということになります。は?と思う方もいるでしょうが、別になんでもいいんです。どれ使っても答えは出ます(内項の積・外項の積は前述の注意を参照)。ただ、計算にかかる手間が違うだけです。
子供自身が練習問題を解いていく中で、こっちの解法を使った方が計算が簡単になりそうだ!とか気づくのが理想です。どういう計算が好きかは個人差もありますし。もし、そういう気づきが全くなく、毎回毎回同じ解き方でめんどくさい方法で解いていたら、もっと簡単な方法があることを教えてあげましょう。
ちなみに私の場合ですが、今回の「2:3=16:□」であれば、解法1の8倍するというやつが好きです。解法2の1.5倍のやつは小数が出てくるのでイヤです。解法3の内項の積・外項の積はあまり使いません。解法1,2でめんどくさそうだなと思った時だけ使います。