今回も中学受験算数の場合の数の問題を解説していきましょう。
場合の数の第3回目です。
今回は場合の数の「取り出す問題」について見ていきます。
場合の数の「考え方」は少し難しいので、理屈は後回しにしてまずは「解き方」をマスターしましょう。
このページを理解するのに必要な知識
- 場合の数の問題形式(場合の数:第1回 問題形式の3パターン参照)
導入
ドク
今回は場合の数の「取り出す問題」について見ていくぞぇ
さとし
今回も解き方だけでいいの?なんで、とか、こういう意味だからっていう理屈はいいの?
ドク
そうじゃ。理屈はちと難しいから今回も解き方だけじゃ。じゃがこの解き方を身につければ問題はあっという間に解けるじゃろ
さとし
楽でいいね。さっさと終わらせよう
ドク
では問題じゃ
例題1
5人の生徒の中から、掃除当番を2人選びます。
選び方は全部で何通りありますか?
解説(例題1)
さとし
どうやんの?
ドク
こうやるんじゃ
ドク
よって答えは10じゃ!
さとし
あのさー
ドク
なんじゃ?
さとし
いくら解き方だけとはいえ、そんなんじゃ訳が分かんないよ。仮にも教師なんだったら、もうちょっとちゃんと説明しなよ
ドク
・・・まずは分母について説明するぞぇ
さとし
よろしく
ドク
問題は5人の中から2人を選ぶということじゃの?
さとし
そうだね
ドク
選ぶのが2人だから分母は「2×1」と書くんじゃ。選ぶ人数から「1」までの整数を順々にかけていくんじゃ
さとし
???
ドク
もし、選ぶのが3人だったら分母は「3×2×1」と書くんじゃ
さとし
そうか。じゃあ選ぶのがもし4人だったら分母は「4×3×2×1」と書くんじゃな?
ドク
その通りじゃ
さとし
分母は分かったよ。で、分子はどうやって書くの?
ドク
分子は、全体の人数である5から始める。で、分母の数とかけ算する数字の個数をあわせるんじゃ
さとし
???
ドク
分母は「2×1」と数字を2個かけてるのぅ
さとし
うん
ドク
じゃから、分子も数字を2個かけるのじゃ
さとし
???
ドク
もし、分母が「3×2×1」と数字を3個かけていたら、分子は「5×4×3」になるんじゃ
さとし
全体の5から順番に数字をかけていくんだね。で、かける個数は分母に合わせればいいんだね
ドク
そういうことじゃ。念のため、もう1問練習じゃ
問題1
8人の生徒の中から、掃除当番を4人選びます。
選び方は全部で何通りありますか?
ドク
まず自分で解いてみてください。解けたら回答からご覧下さい
回答
8×7×6×5 / 4×3×2×1 = 70通りが答えとなります。
できた人はこれ以降は飛ばしてOKです。
解説(問題1)
さとし
まず分母だね。4人選ぶんだから「4×3×2×1」だ。こんな感じだね
ドク
そうじゃそうじゃ
さとし
全体は8人なんだから、分子は8から始めればいいんだ
ドク
うんうん
さとし
分母は数字を4個かけてるんだから、分子も4個かけてあげればいいと
ドク
うんうん
さとし
8から順に4個かければいいんだから、こんな感じだね
ドク
よろしいよろしい
さとし
計算して、答えは70通りだね
ドク
正解じゃ
まとめ
<分母>
- いくつ選ぶのかを考える。
例)2つ選ぶ時は「2×1」、3つ選ぶ時は「3×2×1」
<分子>
- いくつの中から選ぶのかを考える。
- 分母に使っている数字の個数を考える。
例)3つの中から選ぶ時で分母に使っている数字が2つの時は「3×2」、
6つの中から選ぶ時で分母に使っている数字が3つの時は「6×5×4」
ちなみに塾ではこれを次のように教わります。
「異なるN個の中から2個選ぶ」→N×(N-1)÷2
「異なるN個の中から3個選ぶ」→N×(N-1)×(N-2)÷6
分数と全く同じことなんですが、分数で解いた方が選ぶ個数が何個でも対応できるので便利です。
ドク
次回は時計算について見ていきます