今回から中学受験算数の比の問題を解説していきましょう。
中学受験算数の肝である「比」の第1回目です。
私は家庭教師をしているのですが、比が苦手な生徒さんはとても多いですね。比は具体的ではなく抽象的なものだからです。例えば、男女比が3:2とあっても男3人、女2人というわけではありません(男3人、女2人かもしれませんが)。
比がよくわからないまま、すぐに比を使った問題を解くのは大変ですし効率も悪いです。まずは、そもそも比とは何なのかを正しく理解しましょう。
今回は「比」とはどういう意味なのか、そもそも何で比なんて分かりづらいものを使うのかについて問題を通してわかりやすく説明していきます。
比とは何か
- 男の人数も、女の人数も分からない
- 男は女の2倍いる
女 1
- 男の人数も、女の人数も分からない
- 女は男の1.5倍いる
人数がそのまま比になる問題
人数がそのまま比にはならない問題
比の性質
比は「:」の前後を同じ数字でかけても割っても意味は変わりません。例えば、以下の比は数字(表し方)が違うだけ意味は全て同じです。
=12:15(3倍)
=16:20(4倍)
4:5=2:2.5(2で割った)
=:(3で割った)
=1:1.25(4で割った)
どの比を見ても、右側の数字は左側の数字の1.25倍となっています。ですから意味が変わらないのです。
なぜ比を使うのか
比の概念は分かりづらい、別にいらないじゃんという子は結構います。確かに比は慣れるまで難しい考え方です。ですが実際は比べやすくする為に比を使うのです。
例として、「地球から太陽までの距離」と「地球から月までの距離」を比べてみましょう。(計算しやすくする為に、かなり大まかな数字で書いています)
→160,000,000 km
「地球から月までの距離」
→400,000 km
さて「どちら」が「何倍」長いでしょう?
「どちら」がというのはケタを見れば「地球から太陽までの距離」だと分かるでしょう。ですが「何倍」というのは一見分かりづらいです。もちろん計算すれば、暗算レベルの問題ではありますが見ただけでは分かりづらいのです。
これを比で表すと「400:1」となります。この「400:1」という表し方であれば、見てパッと400倍なんだなと分かります。
このように比は分かりやすく比べるために用いられるのです。
日常生活で使われる比(おまけ)
算数・数学の問題だけでなく、ごく普通の日常会話でも比が使われることもあります。バラエティー番組なんか見ていても普通に使われていますね。
例えば、次のような会話です。
最後の「6:4」は「6対4」ではなく、「64(ろくよん)」ともよく言います。そして合計で10になるようにして「簡単に」しないことが多いです。比が苦手なお子さんがいる方は日常会話にもさりげなく取り入れてみましょう。
まとめ
- 比とは比べること
- 「:」の前後をどうやっておくか、順番に気をつける
- 比は簡単にして答える
- 比は分かりやすく比べるために用いられる
- 比は日常会話にも使われる
コメント
助かりました。
コメントありがとうございます!
よくわかりました。
ありがとうございます
コメントありがとうございます!