中学受験の算数に出る特殊算のひとつ、つるかめ算(鶴亀算)について見ていきます。
つるかめ算とは
これは、ツルとカメが出てくる典型的なつるかめ算の問題です。
しかし、ツルとカメが出てこないつるかめ算の方が圧倒的に多いです。ですから、つるかめ算を一言でこれこれこういう問題ですよ、というのは難しいです。強いて言えば、つるかめ算とは「全部が〇〇だとしたら」という考え方ができる問題です。できないのもありますが・・・。
この問題では「全部がツルだとしたら」または「全部がカメだとしたら」という考え方ができます。(実際には面積図を使って、あまり考えることなく解きます)
つるかめ算の解き方
つるかめ算の解き方は大きく分けて次の2つです。
・「全部が〇〇だとしたら」という考え方を使って解く
面積図で解ける問題は面積図で解いた方がよいでしょう。ほとんど?頭を使わないで解けるので素早く解けます。ですが、面積図で解ける問題も「全部が〇〇だとしたら」という考え方は理解しましょう。
一方、面積図で解けない問題は「全部が〇〇だとしたら」という考え方を使って解きます。後述しますがマイナスの考えが入る問題です。面積図で解けない問題と言っておきながら実は面積図でも解けるのですが、理解が難しいかな?と思います。ただ、図形が得意な子であれば、こちらの面積図にもチャレンジしてみましょう。
これらの解き方を踏まえ、いくつか典型的な問題を見ていきましょう。
面積図で解ける「つるかめ算」
面積図で解けるのは以下のような問題です。
ツルとカメが合わせて20匹いて、足の合計は64本です。この時、それぞれ何匹ずついますか?
この問題の解説はつるかめ算:第1回 つるかめ算の基本的な解き方・考え方をご覧下さい。
面積図では解けない「つるかめ算」
面積図で解けないのは以下のような問題です。
さとし君は一人でコイン遊びをしています。コインを投げて表が出れば5点もらえ、裏が出ると2点引かれます。15回コインを投げ、点数は33点でした。表、裏それぞれ何回ずつ出ましたか?
面積図で解ける問題と違う点は「2点引かれます」の部分です。「2点もらえます」なら面積図で解けます。
こちらの問題の解説はつるかめ算:第2回 マイナス?になる、つるかめ算の解き方・考え方をご覧下さい。おまけとして面積図を使って解く方法も記載しています。
条件不足のつるかめ算
条件不足のつるかめ算とは以下のような問題です。
1個120円のリンゴと1個80円のミカンをいくつか買ったところ840円しました。この時、以下の問いに答えなさい。
(1)ミカンをリンゴより3個多く買ったとき、それぞれ何個ずつ買いましたか?
(2)買い方は全部で何通りありますか?ただし、どちらも1個以上買うものとします。
条件不足というのは、全部で何個買ったかが分からない点です。面積図も描けないし、全部〇〇だったらという考えもできません。
こちらの問題の解説はつるかめ算:第3回 条件不足のつるかめ算の解き方・考え方をご覧下さい。
3つの数のつるかめ算
3つの数のつるかめ算とは以下のような問題です。
3つの数から上手く2つの数に直すのがポイントです。
こちらの問題の解説はつるかめ算:第4回 3つの数のつるかめ算の解き方・考え方をご覧下さい。
まとめ
つるかめ算は塾では大抵小学4年生で習うんですが、意外と難しいと思います。何が難しいのかというと「これはつるかめ算だ!」と見抜くことです。単元別に勉強している時は「つるかめ算」であることは明白ですが、模試や受験ではわざわざ〇〇算なんて書かれていません。
6年生くらいになって模試や過去問を受けていると「あ、つるかめ算を使って解くのか!」と思うことも多くなります。つるかめ算は、それ単体だけではなく速さ・水槽の問題など他の分野ともよく融合して出題されます。まずはこのページを参考に、つるかめ算の基本をしっかりと理解しましょう。
「全部で」「合わせて」などの意味を持つ表現が含まれていて何も解法が思いつかない時は「つるかめ算かも?」と疑ってみましょう。