中学受験算数の旅人算の問題を解説していきましょう。
今回は追いつく旅人算の解き方・考え方です。
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問題
さとし君は分速90m、たかし君は分速70mで歩きます。今、さとし君は公園に、たかし君は公園から300m離れたポストにいます。さとし君は公園からポストの方向へ、たかし君はさとし君と同じ方向へ同時に出発します。さとし君は出発してから何分後にたかし君に追いつきますか?
回答
90-70=20
300÷20=15
答え 15分
式としてはこれだけですが、なぜこうなるのか詳しく見ていきましょう。
線分図の描き方
ドク
旅人算ではまずどうするんじゃったかのう?
さとし
確か線分図を描くんだね
ドク
そうじゃ。では描いてみるのじゃ
さとし
これでいいかな?
ドク
ちょっと違うのぅ
さとし
何が違うの?
1.進行方向を間違えないようにしよう
ドク
問題文に2人は「同じ方向へ」進むとあるじゃろ
さとし
そうだね
ドク
上の図では2人が反対の方向へ進んでいることになるじゃろ
さとし
あ、進行方向が違うね。同じじゃないや。じゃあこうだね
ドク
進行方向はその通りじゃ
さとし
進行方向は、ってまだ何が違うの?
ドク
間違ってる訳ではないんじゃが
2.場所は必ず書こう
ドク
公園やポストという場所も書いたほうがいいのじゃ
さとし
でも前回は書かなかったよ
ドク
前回は問題文に場所が書いてなかったから書かなかっただけなんじゃ
さとし
そうじゃったのか。じゃあこうだ
さとし
これで完成だね
ドク
ノー。もう1ヶ所あるのじゃ
さとし
まだあるの~
3.これから通る道も描こう
ドク
この図にはたかし君が進む道が無いのぅ
さとし
そうだね。たかし君進めないね
ドク
その通りじゃ。だから描いてあげるのじゃ
さとし
こんな感じかな?
ドク
素晴らしい!
さとし
やっと完成かぁ。めんどくさいね
ドク
その内慣れるわい
解説
ドク
では、どうやって考えていくんじゃったかのぅ
さとし
最初の2人の距離を考えるんだったよね
ドク
そうじゃ、ええぞぉ
さとし
最初の2人の距離が300mでしょ
ドク
うんうん
さとし
で、次に1分間に2人の距離がどれくらい縮まるかを考えるんだったね
ドク
おぉ素晴らしい
さとし
さとし君は分速70m、たかし君は分速90mだから、1分間で70+90=160m縮まるんだね
ドク
Oh, no!
さとし
あれ、違うの?
ドク
2人の進む方向をよく考えてあげないといけないんじゃ
さとし
うーん
ドク
では1分後の2人の位置を線分図に書いて考えてるのじゃ
さとし
こうだね
さとし
こうなりました
ドク
見づらいのぅ
さとし
ドクは目も悪いんだね
ドク
見づらいのじゃ!もっと見やすく描くのじゃ!大きく描くのじゃ!!!
さとし
はい!
線分図は状況をつかみやすくする為に描くものです。線分図がごちゃごちゃしてしまっては、描く意味がありません。
さとし
描き直したよ
ドク
うんうん、いいじゃろう
さとし
でもちょっとごちゃごちゃしてるね
ドク
多少は仕方ないのぅ。じゃが同じ名前が2つあるのはわかりづらいのぅ
さとし
じゃあどうするの?
ドク
1分後の2人を丸で囲ってあげるのじゃ
さとし
こういうこと?
登場人物が複数回出てくる場合、時刻によってマークをつけ区別しましょう
ドク
そうじゃ、同じ時刻同士の登場人物に同じ印をつけることで分かりやすくなるのじゃ
さとし
まぁそうかもね
ドク
では1分後の2人の距離は何mかのぅ?
さとし
えーっとねー
さとし
1分後のさとし君とポストの距離が210mだから、210+70=280mだね
ドク
そうじゃ、1分後の2人の距離は280mになっとるんじゃ。では1分間で何m距離が縮んだのかのぅ?
さとし
300-280=20mだね
ドク
そうじゃ。この20mという数字はどっから来たのかのー。さとし君は分速90m、たかし君は分速70mだっだのぅ
さとし
90-70=20mだ!
ドク
では、なぜ引き算をするんじゃ?
さとし
うーん
ドク
さとし君は1分間で90mたかし君に近づくのぅ
さとし
そうだね
ドク
たかし君はどうじゃろ?
さとし
1分間で70mさとし君から離れるよ。あ、分かった!
ドク
ほうほう
さとし
たかし君が70m離れても、さとし君が90m近づいてくるから、20mずつさとし君との距離が縮まるんだね
ドク
その通りじゃ!
さとし
1分間で20m距離が縮まるんだよね。で、距離を300m縮めればいいんだから
ドク
じゃから?
さとし
300÷20=15分で追いつくね
ドク
Excellent!
まとめ
線分図に同じ人物が2回以上出る場合は、印をつけてわかりやすくしましょう。
進行方向をよく考えて、1分間に何m距離が縮まるのかを考えてあげましょう。
向かい合う問題も追いかける問題も基本となる考え方は同じです。
向かい合うから足し算、追いかけるから引き算という覚え方ではなく、距離がどのように縮まるのかをしっかり考えて式を立てましょう。