割合:第1回 かけ算の式を正しく理解しよう

割合を勉強する前に、まずはしっかりと抑えておかなければいけない分野があります。(詳しくは割合の勉強法(中編) 割合の前準備をご覧下さい)
そういった分野が定着しないまま割合の問題を勉強しても混乱するだけです。

小学校や中学受験で算数が苦手にならないために、中学生になってから困らないように、今のうちにしっかりと割合の土台を固めましょう。
中学生や高校生の方で割合が苦手という方もご覧下さい。

今回は1回目ということで、まずは整数からです。
算数の勉強をしている時に式をおろそかにしていませんか?
式を立てるということは非常に大事なことです。

今回は割合で必要となる、かけ算の式について見ていきます。
※算数が苦手な人向けに解説しているので、余裕だよという方は適宜飛ばして下さい。

※解説の目次ページは「基礎問題解説一覧」をクリックしてください。「割合」の目次もそこにあります。

導入

ドク
今回から割合の問題を見ていくぞぃ
さとし
割合って訳がわからないよね
ドク
では、訳が分からなくならないように
さとし
ならないように?
ドク
まずは 、かけ算の文章題の練習じゃ
さとし
なにゆえ!?

ドク
なぜなら、割合はかけ算だからじゃ
さとし
かけ算って小数?分数?やりたくないよ

ドク
今回は、整数のかけ算じゃ
さとし
やったね!余裕だよ

ドク
では問題じゃ

問題

さとし君のおこづかいは20円です。まるお君のおこづかいは、さとし君の3倍です。まるお君のおこづかいは何円ですか?式も書きなさい。

回答

20×3=60 答えは60円です。

解説

さとし
3倍ってどういうこと?
ドク
3倍とは「3つぶん」ということじゃ
さとし
じゃあ、さとし君のおこづかい3つぶんってこと?
ドク
そうじゃ
さとし
んじゃあ、20×3で60円だね

ドク
正解じゃ

<「○○倍」の意味を覚えよう>
「○○倍」とは「○○個ぶん」という意味なので「× ○○」となります。
例えば「3倍」は「×3」、「5倍」は「×5」となります。

この問題で難しいと思う場合は、「2年生の文しょうだい (くもんの小学ドリル 算数 文章題 2)」の「かけ算」の問題を、式を意識して解いてみましょう。自宅に「3つ」「3つぶん」などの問題が載ったかけ算のドリルがある場合はそのドリルを使いましょう。

式を言葉で理解しよう

さとし
簡単だったね

はるか
余裕過ぎるわ

まるお
僕はドリルを買うんだ

ドク
では、今の式を言葉を使って表してみるぞぃ

はるか
そんなの簡単。こうなるわね

<言葉を使った式>
さとし君のおこづかい×3=まるお君のおこづかい

ドク
わしの出番が・・・。いつも休みおるのに・・・

さとし
言葉の式なんて・・・

まるお
僕は帰るんだ。じゃ

ドク
・・・さて、この式はどんな意味かのぉ?

さとし
う~ん・・・

はるか
余裕ね

さとし
あ、さとし君のおこづかいに3をかけたら、まるお君のおこづかいになるって意味だ

はるか
そうなんだけど、分かりづらいわねぇ
ドク
「=」は言葉に直すと次のようにもなるのじゃ
<「=」の意味>
「A=B」を言葉に直すと「AはBです」または「BはAです」ということ。
AがBの説明している場合、BがAの説明をしている場合があります。

はるか
そうね。だからさっきの式は次のような意味になるわね
<「さとし君のおこづかい×3=まるお君のおこづかい」の意味>
・さとし君のおこづかいの3倍は、まるお君のおこづかいです。
・まるお君のおこづかいは、さとし君のおこづかいの3倍です。

さとし
「まるお君のおこづかいは、さとし君のおこづかいの3倍です。」の方がわかりやすいね
はるか
そうね。言葉の順序通りに式をたてるとこうなるわね
まるお君のおこづかい=さとし君のおこづかい×3

さとし
「=」の右側に式があってもいいの?

はるか
当たり前でしょ。やーね

さとし
・・・

ドク
自分が立てた式がどのような意味になるか、しっかり理解した上で式を立てましょう

補足

今回の問題は実は「割合」の問題です。
問題文の言葉と、割合の公式(くもわの公式)の用語の対応は以下の通りです。

・もとにする量・・・さとし君のおこづかい
・比べる量・・・まるお君のおこづかい
・割合・・・3倍

今回の問題を公式を使って解くと次のような解説になります。

<公式を使った解説>
今回は「比べる量」を聞いています。
「比べる量=もとにする量×割合」という公式で求まるので、数字を当てはめて20×3=60となります。

公式を理解しないまま丸暗記するのではなく、文章を理解し・式を理解するのが正しい割合の勉強法です。詳しくは割合の勉強法(前編) 苦手になる原因をご覧下さい。

まとめ

今回のポイントは、数字ではなく言葉で式を考えられるかです。

言葉で式を考えるということは、割合に限らずどの分野でも大切なことです。
言葉でなく数字だけで式を考えると、適当にかけたり・割ったりをして、合ってたり・間違ってたりしてと何が正しいのか分からなくなり、算数が苦手になってしまいます。

さっそく今日から「式」を「言葉」に、「言葉」を「式」にして考える訓練をしていきましょう。

ドク
次回は分数の概念についてです