中学受験算数専門のプロ家庭教師です。
小学生にとって算数の最難関分野であると言われる割合。特に中学受験生にとっては割合が理解できないと算数が壊滅的な状態になります。
中学生で困っている人もいるでしょう。
割合が難しい分野ということであれば頑張ってやるしかありません。ですが、割合は決して難しくはありません。
なぜなら、割合はただのかけ算だからです。なので、かけるのか割るのかで悩むことなんて実はないんです。全部かけ算です!!!
しかし、割合が苦手だという人はたくさんいます。なぜでしょうか?
得意な人と何が違うのでしょう?
それは勉強方法にあります。というか主に教わり方ですね。公式で教わっていると、まぁわけわかんなくなるでしょう。公式なんていりません。私は今でも公式なんて覚えていません。だって、こんなの全く必要ないですから。というかこんな分かりづらい公式ムカつきます笑(毎年毎年この公式に振り回される生徒を見ているので、だんだんこの「くもわ」とかいう公式に腹が立ってきてます笑)
では、割合を苦手にする勉強方法・得意にする勉強方法とはいったい何なのか、ということについて見ていきます。
割合を苦手にする勉強方法・教え方
まずは、割合を苦手にしてしまう勉強方法・教え方についてです。
割合の授業では最初に次の公式を教えます。割合の3用法、くもわの公式というやつですね。
1.割合=比べる量÷もとにする量
2.比べる量=もとにする量×割合
3.もとにする量=比べる量÷割合
次に小数・分数と、百分率・割合の関係を教えます。
0.3==30%=3割
0.7==70%=7割
そして以下のような例題を解きます。
30人の4割は何人ですか?
最後に解説です。理解しながら読んで下さいね。
例題では比べる量を聞いています。
ですから<公式>の2番目「比べる量=もとにする量×割合」に数字を当てはめます。
もとにする量は30人、割合は4割ですから0.4(もしくは)
よって答えは30×0.4()=12人です
さて、意味不明です。
大人の方は問題を解けた人が多いでしょう。ですが、上に書いた解説を理解するのは大人でも大変だと思います。
解説の中に「例題では比べる量を聞いています」とあります。
比べる量?「30人」と「何人」を比べていたということでしょうか?まぁ比べていると言えなくもないですけれども。
ただ、比べているとしたら「30人」と「何人」の両方が比べる量ではないでしょうか?
4割=0.4であれば、例題は「30人の0.4は何人ですか?」という文章に変わります。
「30人の0.4は」という日本語っておかしくないですか?
公式。うわー難しそう・・・
きっとほとんどの方が読み飛ばしたでしょう。
子供であれば「もとにする量」という言葉もしっくり来てません。
この状態でどんどん例題・さらには応用問題まで解いていくのです。
ほとんどの子供たちは「比べる量」「もとにする量」がよく分かりません。というか私もよく分かりません!
ちんぷんかんぷんな状態です。
ですから上であげた公式は次のように見えています。
1.割合=linganisha kiasi÷ya awali kiasi
2.linganisha kiasi=ya awali kiasi×割合
3.ya awali kiasi=linganisha kiasi÷割合
ちょっと大げさですが、こんなものでしょう。
もちろん意味不明です。
ではどうすればいいのでしょう?
「比べる量」「もとにする量」をしっかりと理解させて暗記させるというのも1つの手でしょう。ですが大人でもよく分からないものを教えるというのは子供も大変ですし、教える方も大変です。小手先の手法で「の」とか「は」の文字を見つけて、かけたり割ったりなんていうのは、どーーーしても上手くいかないときの最終手段に留めましょう(どうしてもどうしても日本語を理解させることが出来ない時の本当に最終的な最終手段です。日本語の読解能力に極端な問題がなければこの方法は使わずに済むと思います)。しかも「の」や「は」で見分けられる問題は限られてるので、この方法では限界がありますね。。。
結論としては公式なんか無視すればいいんです。無事解決しました!
まぁまだ解決していないですね・・・
ちなみに上記の例題が解けた方、「比べる量」「もとにする量」を意識しましたか?おそらく意識してない人がほとんどだと思います。
割合の公式が不要な理由
以下の問題を見てください。
30人の4倍は何人ですか?
解説です。
30×4=120人
なんでこんな問題が急に出てくるんだ?と疑問に思う人もいるでしょう。ですが、これも立派な割合の問題なんです!
この問題ではいちいち「比べる量=もとにする量×割合」という公式は使いません。割合が苦手な子でも当たり前のように解いています。この時、いちいち「もとにする量がどれで、比べる量はどれか」とは考えていません。4「倍」が4「割」になっただけ(言い方を換えると「4」倍が「0.4」倍に変わっただけ。ちなみに4割は0.4倍という意味です)で、本質的な部分は何も変わっていないのに公式を使う理由はありません。
割合の公式は、ただただ問題を難しくしてしまうだけでいい事なんか全くありません。なんでこんな公式があるんだろう。。。と思います。(日本語の意味を正しく理解させることが面倒なのではないかと最近は思ってます・・・)
問題文を正しく読み取る&そのまま式にする
さて、公式は無視するとして、では具体的に何をすればよいのでしょうか?
やるべきことは問題文を正しく読み取り、文章通りに式に直すことです。何の何倍(何割、何%)が何なのかを文章から読み取り、その言葉通りの式を立てることです。もし、それが難しい場合は日本語の使い方、言い回しを教えることが必要です。割合の問題はなぜか、文章の言い回しが非常に難しいのです。「~に対する~の割合」とかですね。小学生の内からこういう難しい言い回しを使う必要はないと思うのですが、まぁしゃーないですね。
とりあえずシンプルな表現で割合の3つの代表的な問題を見てみましょう。
次の□に入る数字をそれぞれ答えなさい
(1)30人の4割は□人です。
(2)60人の□割は18人です。
(3)□人の2割は4人です。
これはそれぞれ次のような式に変形することができます。
(1)30×0.4=□
(2)60×□=18
(3)□×0.2=4
全てかけ算の式になりました。
なぜこういう式になるかというと、元の文章はそれぞれ次の意味になるからです。
次の□に入る数字をそれぞれ答えなさい
(1)30人の0.4倍は□人です。
(2)60人の□倍は18人です。
(3)□人の0.2倍は4人です。
あとはそれぞれの□を求めればいいことになります。
どうやって式に直したのか、式に直したところでやはり分からん、という人も多いかと思います。実は割合の勉強に入る前にしっかりと前準備しなければならないことがいくつかあります。
その準備なしに割合の勉強を始めても撃沈するだけです。
では、割合の問題を問題を解く前に何をしなければならないのか?どうやったら式を立てられるようになるのか?
割合の勉強法(中編) 割合の勉強に必要な前準備に続きます。
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コメント
とてもわかりやすいです!
コメントありがとうございます!