中学受験算数の特殊算のひとつ、植木算についてみていきます。
私は家庭教師をしているのですが、この植木算、公式を覚えただけでよく分からないまま適当に1足したり・引いたりして解いてる生徒が多いです。なぜ1足すのか・引くのかきちんと理解して使えるようになりましょう。そうしないと少しひねられただけで全く対応できなくなってしまいます。
他の分野もそうですが、公式は理解してから使いましょう。それでは植木算の解説をしていきます。
概要
植木算とは
植木算とは、端的に言うと「間」を意識する問題です。例えば「1,2,3」と数字が3つ並んでいる時、数字と数字の間の数は2つです。このように「間」を意識して解かせる問題が植木算です。木を植える問題が典型的な例ですが、木が出てこない問題もよく出題されます。
植木算の公式
一応、植木算の公式を書いておきます。
植木算の公式を書きましたが、あくまで参考程度です。公式を忘れたから解けないということはありません。というか汎用性があまりないのでほぼ使えません。
公式を使いたいという方はここの解説を参考に、なぜこういう公式になるのかを理解しましょう。
植木算のポイント
では、公式を使わずにどのように解けば良いのでしょうか。ポイントはたったひとつ。
植木算のポイントはこれだけです。この言葉だけだと分かりづらいかもしれません。解説を参考に図を描く大切さを学んでください。では、このポイントを踏まえ、いくつか典型的なパターンを見ていきます。「公式だから」という説明は一切ありません。
両端に木を植える問題
両端に木を植える問題というのは下のような問題のことです。
60mの直線上に5mおきに木を植えます。両端にも植えるとすると木は何本必要ですか?
この問題の解説は植木算:第1回 両端に植える時の木の本数と間の数の関係をご覧下さい。
両端に木を植えない問題
両端に木を植えない問題というのは下のような問題のことです。
60mの直線上に5mおきに木を植えます。両端には植えないとき木は何本必要ですか?
この問題の解説は植木算:第2回 両端に植えない時の木の本数と間の数の関係をご覧下さい。
円形状に木を植える問題(池の周りなど)
円形状に木を植える問題というのは下のような問題のことです。
60mの円形状に5mおきに木を植えます。木は何本必要ですか?
この問題の解説は植木算:第3回 円形状に植える時の木の本数と間の数の関係をご覧下さい。
以上、ここまでが植木算の超典型的な問題です。ここまでの問題は公式に当てはめれば解けますが、理解してないと「木を片端にだけ植える問題」に変えた途端に解けなくなります。お子さんがちゃんと理解しているか確認してあげましょう。
以下、他の植木算の問題についてです。
木を切りながら途中で休む問題
木を切りながら途中で休む問題というのは下のような問題のことです。
長さ640cmの木を40cmずつに切り分けます。1回切るのに3分かかり、1回切るごとに1分休むとします。全部切り終わるのに何分かかりますか?
この問題の解説は植木算:第4回 木を切りながら途中で休む問題の解説をご覧下さい。
紙をつないでテープを作る問題(のりしろの問題)
紙をつないでテープを作る問題というのは下のような問題のことです。
長さ6cmの長方形の紙を15枚つなぎ1本のテープを作ります。のりしろを2cmとするときテープの長さは何cmになりますか?
この問題の解説は植木算:第5回 紙をつないでテープを作る問題の解説をご覧下さい。
長方形に木を植えていく問題
長方形に木を植えていく問題というのは下のような問題のことです。
たて36m、横54mの長方形の土地の周りに同じ間隔で木を植えます。長方形の角のところには必ず木を植え、木と木の間の長さをできるだけ長くします。
(1)木と木の間の長さは何mですか
(2)木は何本必要ですか
この問題の解説は植木算:第6回 長方形に木を植えていく問題の解説をご覧下さい。
まとめ
典型的な6パターンの問題を見てきました。いずれも「小さい数字に直して図を描く」と状況がつかみやすくなります。何回も解いた問題であれば別ですが、そうでない場合は図を描き状況をしっかりと把握して問題を解きましょう。