数の性質:第7回 公倍数・最小公倍数の簡単な求め方(2つの数)

中学受験算数の数の性質の問題を解説していきましょう。
数の性質の第7回目です。

今回は公倍数・最小公倍数の簡単な求め方について見ていきます。
このページでは2つの数の公倍数・最小公倍数を取り扱っています。
3つ以上の数については、次回の「3つ以上の数の公倍数・最小公倍数」をご覧下さい。

※ただ単に公倍数・最小公倍数がいくつになるかを知りたい方は「公倍数・最小公倍数の自動計算ツール」をご利用ください。

※解説の目次ページは「基礎問題解説一覧」をクリックしてください。「数の性質」の目次もそこにあります。

このページを理解するのに必要な知識

公倍数・最小公倍数の意味と求め方を学ぶ前に、まずは「倍数」の理解が必要不可欠です。
倍数についての基礎があやふやな場合は、まずは倍数の意味と求め方をご覧下さい。

倍数の意味にプラスして、公倍数・最小公倍数の意味と地道な求め方も身につけましょう。その方が公倍数・最小公倍数に対する理解が深まります。前回の記事に書いてますので、まだ身についていないという方は「公倍数・最小公倍数の意味と地道な求め方」をご覧下さい。

導入

ドク
今回は公倍数の簡単な求め方についてみていくぞ
さとし
さくっ終わらせちゃおう

公倍数・最小公倍数の簡単な求め方

問題を通して公倍数・最小公倍数の簡単な求め方を身につけましょう。

問題

168と192の最小公倍数を求めなさい。
また、最小公倍数の次に大きい公倍数を求めなさい。

回答

)168 192
) 84  96
) 21  24
    7   8

最小公倍数:2×4×3×7×8=1344

最小公倍数の次に大きい公倍数:1344×2=2688

解説

さとし
地道に解くとめんどくさそうだよね。どうやるの?
ドク
まずは最小公倍数を求めるのじゃ。まずこういう風に書くのじゃ

公倍数

さとし
最大公約数の時と同じだね
ドク
そうなんじゃ。168と192の約数で割っていくんじゃ。例えば2を使うとこうなるじゃろ

公倍数

さとし
約数を左側に書くんだったね。それで割った結果を下に書くんだよね
ドク
そうじゃそうじゃ。どんどん書いていくぞい

公倍数

さとし
これじゃ最大公約数を求める時と全く同じじゃん
ドク
ここまではそうじゃ。じゃがここからが違うのじゃ
さとし
どう違うの?
ドク
最大公約数を求める時は左側の数字だけをかけたじゃろ
さとし
そうだね
ドク
最小公倍数を求める時は全部かけるのじゃ
さとし
全部?
ドク
下の赤い部分をかけるのじゃ

最小公倍数

さとし
ということは、2×4×3×7×8ってこと?
ドク
その通りじゃ。計算せぇ

さとし
えーっと・・・・1344だ
ドク
その通りじゃ。じゃから168と192の最小公倍数は1344となるのじゃ
さとし
なるほどねぇ
ドク
では、1344の次に大きい公倍数はいくつじゃ?
さとし
分からんよ
ドク
実は公倍数というのは、最小公倍数の倍数なのじゃ

<暗記しよう>
公倍数は、最小公倍数の倍数

さとし
最大公約数の約数みたいな響きだね
ドク
そうじゃな。今回は1344の倍数が168と192の公倍数ということなのじゃ

さとし
じゃあ1344の次に大きい公倍数は、1344×2=2688になるの?
ドク
その通りじゃ
さとし
その次は、1344×3?
ドク
そうじゃそうじゃ
さとし
なんだー、もう公約数も公倍数も楽勝だね
ドク
まだじゃ。まだあるのじゃ
さとし
まだ何かあるの?
ドク
この解き方では3つ以上の数の最小公倍数を求める時には注意が必要なんじゃ
さとし
そうなのかい?
ドク
そうなんじゃ。また次回やるのじゃ

まとめ

上記の解き方(割り算の逆みたいな形)を使うと最小公倍数が簡単に出せる。
公倍数は最小公倍数の倍数である。

ドク
次回は3つの数の公倍数・最小公倍数について見ていきます