植木算:第6回 長方形に木を植えていく問題~小数や分数にも対応~

長方形に木を植える問題についてみていきます。
今回の問題は数字が小数や分数にになっただけでパニックになる生徒続出です。
ですがこの回を見てもらえれば、数字が小数になろうが分数になろうが同じように解けるようになります。

今回は2パターンの解き方をご紹介します。

他の植木算の問題&解説は植木算のまとめページをご覧下さい。

このページを理解するのに必要な知識

導入

ドク
今回も植木算じゃ
さとし
今回は何やるの?

ドク
今回は長方形に木を植えるお話じゃ
さとし
お、木を植える問題が戻ってきたね

ドク
そうじゃ。早速問題じゃ

問題

たて36m、横54mの長方形の土地の周りに同じ間隔で木を植えます。長方形の角のところには必ず木を植え、木と木の間の長さをできるだけ長くします。
(1)木と木の間の長さは何mですか
(2)木は何本必要ですか

解説

ドク
今回は難しいので、わしから解説するぞや

さとし
おぉやったね

ドク
まずは文章どおり図を描き

植木算

さとし
まぁそのままだね

ドク
ぬっ。次は36mと54mを何mずつに分けるのかを考えるのじゃ

超基本問題では何mおきに植えるとかが明記されてますが、今回はそれを求めなくてはいけません。
まずは、木を何本植えられるかではなく、何mずつに分けられるかを考えましょう。
ちなみに木の本数と間の数の関係は円形状に植える問題と同じなので(長方形をぐにゃっとさせたら円になりますので)、小さい数字に直して考えることは省略しています。

さとし
1mずつに分けられるよ

ドク
確かに1mずつに分けられるのぉ。しかしじゃ。今回の問題には「木と木の間の長さをできるだけ長くします」と書いておる

さとし
そうだね

ドク
じゃからここでは36と54の最大公約数である18mずつ分けるのじゃ

さとし
ほーほー

よくわからない人は約数最大公約数について見直しましょう

ドク
図に表すとこうなるの

植木算

さとし
うわー、ごちゃごちゃし過ぎ

ドク
・・・ごめんなさい

さとし
まぁいいよ。それで?

ドク
ここからは円形状の植木算の問題と同じじゃな

さとし
なんで?

ドク
長方形をぐにゃっとすると円ぽくなるしのぉ

さとし
雑な説明だね

ドク
ぬっ。さて、長方形の周囲の長さは何mじゃ?

さとし
たて36m横54mだから、
36+54+36+54=180mだね

ドク
で、18mおきに木を植えると?

さとし
180÷18=10個、18mつまり間の数ができると

ドク
そうじゃそうじゃ

さとし
円形状のと同じ考えだから、木の本数も10本だね

ドク
正解じゃ。
まとめると
・まずは木の間隔を出す
・木の間隔の求め方は、たて(36m)と横(54m)の最大公約数。今回は18m
・長方形の周囲の長さを出す。今回は180m
ここまで分かれば円形状の問題と同じ考え方

答えは(1)18m(2)10本でした

さとし
よくできました。さようなら

ドク
待つのじゃ!

さとし
ぬぬっ

ドク
今回の考えでは、長さが小数や分数になったら解けんぞぃ

さとし
なんで?
ドク
小数や分数の最大公約数をだせるのかのぉ

さとし
だせないね

ドク
ではどうすればよいかのぉ?

さとし
整数の問題がくることを祈るよ
ドク
そんな考えではあかん。今から別の考え方を教えるぞぃ

さとし
えー。もう疲れたよ

ドク
わしはまだ疲れてないから大丈夫じゃ

さとし
なんてわがままな

ドク
では別解じゃ

さとし
くっ

別解

ドク
別解は次の通りですじゃ

別解。簡単な整数の比に直すのがポイントです。

・たて(36m):横(54m)を簡単な比に直す。今回は2:3。ここで18で割って簡単な比にしたことを覚えておきます(メモっときます)。
・たてと横の長さをその比の数字に置き換える。今回はたて2m、横3mにするということ。

ドク
問題文を次の通りに置きなおすということですじゃ

<元の問題文>
たて36m、横54mの長方形の土地の周りに同じ間隔で木を植えます。長方形の角のところには必ず木を植え、木と木の間の長さをできるだけ長くします。

<数字を置きなおした後の問題文>
たて2m、横3mの長方形の土地の周りに同じ間隔で木を植えます。長方形の角のところには必ず木を植え、木と木の間の長さをできるだけ長くします。

ドク
ここからは上で示した解法と同じですじゃ
・木の間隔をだす。2mと3mの最大公約数1mが木の間隔となる。(簡単な整数の比に直しているので、確実に最大公約数が出せます)
・長方形の周囲の長さをだす。(2+3)×2=10m
・円形状の問題と同じ考え方。10÷1=10。これは間の数。間の数と木の本数は等しいので10本が答えとなる。
ドク
しかしじゃ!
ただし、これでは(1)の問題である木と木の長さ(木の間隔)が1mとなってしまい、間違いになってしまいます。本当の木の間隔を出すには18倍してあげます。

この18倍というのは、簡単な比に直した時に18で割ったところからきています。18で割ったので、18倍して元に戻してあげるという考えです。

言い方を換えると、18分の1に縮小して考えたので、実際の長さを出す時はそれを元に戻すということです。

さとし
ちとややこしいね。なんで比に直したりするの?

ドク
今回の考え方は「縮小」という考え方じゃ

さとし
全体的に小さくしたんだね

ドク
その通りじゃ。36m・54mの時と2m・3mの時を見比べてみようぞ

36m×54m
植木算

2m×3m
植木算

さとし
本数や配置は同じなんだね

ドク
うむ。縮小しただけだからのぉ

さとし
長さは変わってくるね。そりゃ縮小したんだもんね

ドク
そういうことじゃな

さとし
でも、ちと難しいよ

ドク
難しい場合は、まず最初に示した解法をしっかり身につけることじゃ

さとし
ほいよ

ドク
その上でできれば別解も身につけてみらいたいもんじゃ

さとし
整数の時しか解けないって、なんかもったいないもんね

ドク
そういうことじゃ!

さとし
では、今度こそさようなら~

まとめ

解き方をしっかりと理解して暗記しましょう。
分数の場合は別解にするか、分数の最大公約数の出し方でも勉強しましょう。
分数の最大公約数の出し方は、実はそんなに難しくないので、興味がある人は調べてみましょう。

まぁ小数の場合は、例えば2.4mだったら240cmとすれば対応できます。
いまさらですが、一応。

ドク
次回は・・・未定です